手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

昨日の「秘密」に引き続き、東野圭吾。これもとても面白かった。強盗殺人で収監されている兄を持つ主人公が、その境遇によって人生を振り回されるというお話。1章ごとに1つの不幸が訪れる形になっているので、読む時に区切りをつけて読みやすいです。

作中でごくわずかしか出番の無い平野社長が、3回ともとても良い役回りになっているのが凄く良いです。全ての登場シーンは、それぞれ3回読み返しました。その位味わいあるシーンでした。

最後は何となく納得のいかない形ではあった。そういう選択もありかと思ったけど、やはり「主人公の為を思って」犯行に走った兄に対してそういう仕打ちはどうなんだろうかという思いは拭えなかった。「仕方が無い」で済ませてしまえばそれまでなのかもしれませんが。