トルストイ「アンナ・カレーニナ」

ちまちまと読んできた、ロシアの文豪トルストイの代表作「アンナ・カレーニナ」を読み終わりました。読み始めたのが去年の秋頃だったので、ほぼ丸々1年かかってようやく読み終えました。

2組の男女の恋愛・結婚・離婚を通じて、人間の苦悩を描いた作品。心理描写の描き方が好きでした。こういう作品は少し経って読み返すとまた違う読了感を味わえるので、その時がまた楽しみです。

アンナ、カレーニン、ヴロンスキー、キティ、リョービンの5人の主要な登場人物の中で個人的に好きだったのは、アンナとリョービンでした。ヴロンスキーがアンナや部下の事を、キティがリョービンの事を考えて行動するのとは正反対に、利己的な欲望で動いて身を滅ぼしていたり、苦悩に陥るような性格に共感したのかもしれません。

とにかくこの2人は利己的です。しかも勝手に思い悩んで、勝手に自滅する。非社交的で、我が強く、変に自己完結するという性格は、周りから見ればはた迷惑なことこの上無いのですが、それぞれの心の中に激しい葛藤があるのがとても面白い所です。

アンナ・カレーニナ〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈2〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈2〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈3〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈3〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈4〉 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ〈4〉 (光文社古典新訳文庫)